展示会場は夢の空間。
開催中は毎日夢心地・・・。
作品を前にいろいろな方とお話ししながら至福の時が流れます。
・・・一方で作品作りはこつこつ・コツコツ。
和紙を丸めて小さな粒作り。
単純作業も少しづつ異なる色を楽しんで・・・と、
いつもならそう思えるのですが、
今回はあまりの数にその楽しみもどこへやら・・・。
毎日たくさん作っても、積み上げるとほんの少し。
また作り続ける丸い粒。
こつこつ、コツコツ。
いったい、いくついるのだろう・・・。
まだまだ遠い道のり。
間に合うのだろうか・・・。
でも、どうしても作りたい。
最後に1枚覆った姿を見てみたい。
こつこつ、コツコツ・・・。
・・・ようやく完成した夏の和菓子。
只今、展示会場でスポットを浴びています。
作品は、突然置かれた明るく賑やかな場所に驚いているのかな。
それとも至福の時を楽しんでいるのかな・・・。
加納登茂美・恒ご夫妻・「和の紙」展
こつこつ・コツコツ
展示会場から 「和の紙展」
小原和紙工芸作家の加納登茂美・恒ご夫妻の「和の紙」展示会が始まりました。
「掌の記憶~かなたへ~」というテーマのもと、会場は温かな作品に包まれています。
会場手前は、和紙を手に取りながらの楽しい空間。
会場奥は、加納ご夫妻の作品の世界。
柔らかに溶け合いながら、二つの空間が異なる表情を見せてくれます。
奥中央には大きなパネル作品が。
左右対照的な印象です。
一緒に見に行った友人に、「どちらが好き?」と尋ねたら、
「どちらも好き。でも今日の気分はこちらかな・・・。」と。
それぞれの前に立つと、本当に受ける空気が違う。
作品と向き合うと、今の自分と向き合っているようです。
壁面に続くパネル作品。
ボルドーの石畳をイメージされたとか・・・。
振り返ると、和紙と触れ合う楽しいスペース。
1枚づつ異なる和紙の表情を、皆さん手に取りながら一生懸命選んでいます。
皆さんどんな使い方をされるのかな。
「倉さん、私たちの紙を好きに選んで自由に飾ってね。」
ご夫妻からの温かな言葉のままに、初めて見る新しい和紙にわくわくしながら、
和紙スイーツを会場のあちこちに楽しく飾らせて頂きました。
涼しげな水の流れを思わせる和紙には、夏の和菓子を。
くるくるとワイン色の糸が遊ぶ和紙には、出逢いのベリーパイを。
さりげなく素敵な詩やメッセージが所々に置かれています。
目にしているとふと想いが何処か遠くへ広がってゆくようです・・・。
アルファベットのミニパスタが漉きこまれた和紙。
何て楽しげ!!
和紙の上に置くと、スイーツが動き出すよう。
この和紙からは音楽が聞こえてきそう・・・。
今度、「スイーツの音楽会」を創ってみようかな・・・。
心地よい空間に身を置きながら、時々空調でゆれる和紙を見つめて・・・。
心もゆらゆら揺れながら、想いはかなたに・・・。
夢のような時間はするすると過ぎてゆき、展示会も後半へ。
機会がありましたら、温かな和の紙の世界へどうぞお立ち寄り下さいませ。
~8/7(日)まで
加納登茂美氏・加納恒氏
「和の紙」
ノリタケの森ギャラリー
夏の和菓子は典具帖紙
透けるほどに薄い和紙、「典具帖紙」(てんぐじょうし)。
見ているだけで涼やかな風のようです。
夏の和菓子もまた透明感のある寒天や葛が、水辺のような涼しさを運びます。
その姿を典具帖紙で表現してみたいと、ずっと思っていました。
実際の和菓子を前に、透明感を見つめます。
見つめるほどに、小さな世界から涼やかな風景が広がるよう・・・。
作り手の繊細な感性に触れるようです。
ごくごく薄い典具帖紙を、折ったり、絞ったり、また広げたり・・・。
こんなに薄くて柔らかい和紙なのに、強くて破れない。
形もちゃんと保っていてくれる。
何日も同じ和紙に触れているうちに、手が何かを覚えてゆくよう・・・。
ここでもまた和紙を作る方の温かな想いに触れるようです。
この透明感は、本当に典具帖紙ならでは。
またまた魅了されてゆく、和紙の世界・・・。