ファイバークラフト

| 2011.10.12 Wednesday





このお花、紙で出来ています。

「ファイバークラフト紙」
水で濡らすと柔らかくなり、乾くと硬くなる不思議な紙です。
最近、講座を受けてその面白さに感激しました。


お花の形にファイバークラフト紙を切り、好みの色に染めて、直接手で形作っていきます。
染めている様子は、透明な液に花が浮かんでゼリーのよう・・・。


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それぞれの色に染まり、それぞれの花になってゆく。
一緒に受講している方と、お互いの染具合や形で触れ合えるのがまた楽しい。
1枚の平面の紙が、だんだん花の形になってゆく・・・。
作りながら、感激と楽しさが溢れます。


教えて下さる先生のお人柄もまた優しいお花のよう・・・。
本当にこのアートを愛しく大切になさっているのだな・・・。
その空気が柔らかに伝わり、講座がより楽しく温かく感じられます。


出来上がった作品はブローチになり、身に着けられるのがまた楽しい。
皆さんその場で服に着けたり、バックに着けたり・・・。
それぞれが自分色に染めた作品は、個々の雰囲気にぴったり。
華やかな作品を囲み、また華やかな笑顔に包まれます・・・。


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自分の作った作品を身に着けられる喜び・・・。
これからの季節、温かなバックにつけてみようかな・・・。


ファイバークラフト教室

甘い薫り

| 2011.10.06 Thursday

窓を開けると、甘い香り・・・。
小さな小さな花があつまる金木犀。
ふんわり漂う秋の香りに、甘い記憶も柔らかに浮かんでくるようです・・・。


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以前、和紙スイーツの展示会場で、
お客様から「作品に甘い香りがつけてあるのですね。」
と言われたことがあります。

作品に香りはつけていないことをお伝えすると、
「確かに作品から甘い香りがしたのですが・・・」
と不思議そうにされていました。

イメージの薫り・・・?
私もまた不思議に思いながらも、とても嬉しく感じました。


・・・甘いイメージの色は、優しいピンクやオレンジや黄色でしょうか。
最近、そんな甘い色合いの和紙を購入。

その和紙を背景に、これから額装作品を制作予定。
スイーツから広がるイメージの世界・・・。
そこには目に見えないものを形にする楽しさが溢れるようです。


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甘色の和紙に、透けるほどに薄い典具帖紙(てんぐじょうし)を重ねて、
甘く温かな作品を作りたい・・・。
どんなデザインを重ねていこうかな・・・。
しばらくは、和紙と向き合いながらのイメージ作り。

作品から甘い薫りが届けられたら嬉しいな。

「僕の恋」 記:栗太郎 

| 2011.10.01 Saturday

僕は初めて恋をした・・・。

相手は苺のショートケーキさん。
名前は「イチエさん」って言うんだ。

校庭で文化祭の練習をしていたら、甘い音色が聞こえてきた。
僕はこっそり練習を抜け出して、その音色に近づいて行ったんだ。

すると、バイオリンを奏でる苺のショートケーキさんの姿があった・・・。
それが僕の恋の始まりだった。


家に帰ると、夕飯は僕の大好物の「栗ご飯」だった。
今年初めての栗ご飯。

でも僕は何だか胸がいっぱいで、2杯しか食べられなかった・・・。
お母さんは不思議そうに僕を見ていたな。

それから何日か考えて、僕は手紙を書くことにした。
何度も何度も書き直した。
想いを伝えるって、難しいね。


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ようやく完成した手紙を和紙の封筒に入れて、イチエさんに渡した。
笑顔で受け取ってもらえた時には、舞い上がるようだった。
・・・でも、大変なのはこれからだった。

毎日、ドキドキして、落ち着かない。
何も手につかないとか、うわの空とかって、こういうことなんだ。

大好きな栗ご飯も、たった1杯しか食べられない・・・。


そんな日が続いたんだ・・・。
それから何日かして、僕は見てしまった・・・。
スラリと長身の、チョコレートケーキさんと楽しそうに話しているところを・・・。
チョコレートケーキさんと言えば、かっこ良くて、スポーツ万能で生徒会長もしている。

・・・僕はクラスの園芸委員・・・。
僕は、僕は・・・とてもショックだった・・・・。


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がっクリ・・・・・・。

しばらくそこを動けなかった・・・。

ずいぶん経ってから、もう一度ふたりの様子を見た。
そして僕は気づいたんだ。
チョコレートケーキさんが手に持っているのは、外国のおしゃれなファッション誌。
本屋さんで見たことあるぞ・・・。

そうか、僕もその本に載っているような素敵な服を着たら、苺のショートケーキさんと
お話しできるかも知れない!
こんな時でも、僕はなかなか冷静だなぁ。
これから同じ本を買って、最新の服を買うんだ。
僕はあきらめないぞ!!


「お兄ちゃん、どこに行くの?」
妹の栗子が聞いてきた。
僕は栗子と一緒に、最新ファッション誌に載っている秋の新作を見に行くことにした。


カラフルな色の服がたくさんあった。
かぼちゃ色、木いちご色、抹茶色、紅芋色などなど・・・みんなカラフルだなあ。
こんな素敵な服を着たら、きっと僕もチョコレートケーキさんみたいになれるね!
どれにしようかなぁ・・・。
目移りしていたら、妹の栗子が耳元でささやいた。


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「お兄ちゃん、やっぱり栗色がお兄ちゃんには一番しっクリくるね。」・・・と。

・・・僕より栗子の方がずっと冷静だった。


僕は何も買わずにお店を出た。


帰り道、夕焼けがとてもきれいだった。


「お兄ちゃん、この花、何ていう名前?」
「萩の花だよ。秋の花なんだ。」
「お兄ちゃん、お花の名前、何でも知ってるんだね。」


行きは夢中で気づかなかったけれど、お店までの道のりはなかなか遠かった。
・・・栗子もよくついてきたなぁ・・・。


家に帰ると、今年3回目の栗ご飯だった。

お腹がすいて、僕はいつものように4杯食べた。
美味しいなぁ・・・。

栗子も、お父さんも、お母さんもいつもより1杯多く食べた。
僕は何だか嬉しかった。

食べ終わると、栗子はその場に寝てしまった。
お父さんは少し前かがみに歩きながら、ちょっと苦しそうに階段を上がっていった・・・。

お母さん、いつもよりたくさん炊いてくれたんだね。

僕は何だか元気が出てきた。
僕、あきらめないで頑張るからね。


今日、僕は気づいたんだ・・・。

僕はずっと前から、大切なもの、たくさん持っていたんだね。

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