「春夏秋冬、この公園が大好きなんです。」
数年前、桜の季節に近くの公園を歩いていた時のこと。
素敵なご婦人と会話し、その方がおっしゃった言葉
その時桜一色だった私には、思いがけない言葉だった。
落ち葉が重なる道を歩きながら、ふとその時のことを思い出す。
落ち葉に陽が射して美しい。
見上げると黄色や赤に色づいた葉がまだ木々に残る。
地面がキャンバスなら、木々の葉は絵の具のようかな。
ゆっくり歩いていくと、隣に松があった。
常緑の松
もうすぐ訪れる新しい年を想う。
次に目に映った木にハッとした。
それは桜の木だった。
秋から新年へそして春へ・・・
張り巡らされた細かな枝
ここに血が巡るように、春には優しい桜色で包まれる。
振り返ると青空に、残る紅葉~松~桜が並ぶ。
今日の道は木の陰でまだら模様
移り変わる季節がこの道にあった。
「春夏秋冬、この公園が大好きなんです。」
あらためてその言葉を思う。
映る季節
和紙スイーツカレンダー
12年続けてきた和紙スイーツカレンダー
皆様からたくさんの温かなメッセージを頂く。
嬉しい想いを重ねながら、12年を12か月を想う。
作品と季節を重ねていく作業は、毎年悩みながもどこか楽しいことだった。
1月は新年
2月はバレンタイン
3月は桜色の春
4月は賑やかな始まりの春
5月は新緑
6月は雨
7月は梅雨空から夏の始まりへ
8月は色鮮やかな夏
9月は秋色へ
10月は彩りの秋
11月はいつも悩んでた
12月はクリスマス
5年目くらいからは「作品が足りない!」と、悪戦苦闘・・・
写真も自分で撮るようになり、毎回試行錯誤
それでも何とか12作品揃えて、デザイナーの方の力を頂き続けてこられました。
「今年はこの月が一番好き!」
毎年頂くご感想にいつも励まして頂きました。
長い間、本当にありがとうございました。
2020年12月には、大好きな作品「ありがとう」に感謝を込めて・・・
裏表紙
いつもデザイナーの方にお任せで、小さな作品をひとつ
最後もまたお任せで。
セピア色の作品が今の想いと重なる。
一つ終わる。
なくなるものと残るもの。
その先に何がつながっていくのかな・・・・・・
みんなアーティスト!
1枚の小さな白い紙
これがこんなに豊かな表現になるなんて・・・
橦木館での展示会場内で行った初試みのワークショップ
白い紙に典具帖紙で飾りをつける。
ハサミを使わず手でちぎる。
リースに貼ってお客様参加型作品に。
和紙を選ぶ。
手でちぎる。
「こんなに薄い」「柔かい」「立体的になる」などなど、皆さん初めて手にする和紙に驚きの声
自分で考えて自分で作る。
自分で感じて自分で形にする。
最初は戸惑う方
デザインを悩む方
それでも途中から皆さん夢中になっていく。
土台の白い紙から生まれる形は何とも豊か!
キャンディーにちょうちょ、ツリーに靴下、富士山に家に魚に鳥に猫
出来上がる度に驚きと感動が!
だんだんリースが埋まっていく。
まさに老若男女、大人も子供も知らない人も輪になって和気あいあい。
本当に暮らしていたその空間は、家にいるような和やかさがある。
すぐ後ろにあった障子にそっと置いてみる。
これもまたステキ!
楽しいな。楽しいね。
だんだんリースが埋まっていく。
最終日にはどこに貼ろうか・・・と悩むくらいに。
和紙の良さを伝えたいと思っていたけれど、なにか難しいことを言わなくても皆ちゃんと感じてる。
透ける、色が重なる、紐や丸に形がかわる。
典具帖紙ならではの表現を楽しんで、その人ならではの形が生まれてくる。
美しい、楽しい、面白い!
人はみんなアーティストだね。