和紙の魅力 「薄さ」

| 2010.10.12 Tuesday

 秋の空気が色濃くなってきました。

店先には色とりどりの葡萄が並び、見ていると様々な色合いに魅了されます。
その色は幾重にも奥深く・・・。


私が作品に使っている和紙は、「典具帖紙」(てんぐじょうし)という、透けるほどに薄い和紙です。
その厚さ、約0、03mm。

その薄さのおかげで、水彩絵の具を重ねるようにいろいろな色が作れます。
和紙の色も単色から多色、グラデーションまで様々。
1枚の和紙がひとつの作品のように美しい色合いです。

重ねると色が濃くなり、また混ざり合うことで微妙な色合いが生まれる・・・。
作品作りの一番魅力的なところかも知れません。


只今、来月の個展に向けて「葡萄のケーキ」を制作中。
本物の葡萄を3種類並べて、感じた色を重ねながら作っています。

紺色だと思った葡萄は、もっと黒かった。・・・黒を入れてみる。
レッドグローブは、赤紫?赤?熟し加減で色も違う・・・。根元には黄緑も見える。
黄緑色の葡萄は、薄緑、黄緑、緑、黄色を重ねて・・・。

自然の色は1色じゃない。
その奥深さを感じながら、薄い和紙を感じるままに1枚づつ重ねて色を作っていく。


重ね方で思いがけない色が出来ると、いつも感動してしまう・・・。

典具帖紙ってすごい。

和紙ってすごい。

「しあわせ」  記:栗太郎

| 2010.09.29 Wednesday

はじめまして。
栗太郎です。

先日、高知の展示会場から戻ってきました。
作者の美紀さんは少々お疲れのようだったので、代わりに僕がブログを書くことにしました。

僕については、前回のブログで美紀さんが綴っています。
ブログ「栗太郎」

高知での「紙逢わせ(しあわせ)展」は3週間だった。
僕は会場でたくさんの人と出逢いました。

子供たち、カップル、親子、ご夫婦・・・。
幼稚園のこども達が60人も来た時には、僕もさすがに緊張した。

皆、僕を見て笑っている。
中には大笑いしている人もいた。
どうやら僕は面白いようだ。
だから僕の周りはいつも賑やかだった。
DSC_5995.jpg
僕はずっと箱の中に入っていた。
「神棚みたい」・・・と、つぶやく人もいた。
ちょっと窮屈だったが、居心地は良かった。


今回の展示は僕の部屋だけじゃない。
書家の可葉さんと、光の切り絵作家の敦美さんとの3人展。
2人とも僕とはお友達。

可葉さんは、どうやら僕のことが好きらしい。
いつも迫力ある表情の可葉さんだけど、僕に話かける時には「くりたろう~」と目じりを下げている。

敦美ちゃんは、すぐ隣の部屋で展示をしていた。
敦美ちゃんの会場は暗くなっているので、座っていると時々眠くなるらしい。
だから目を覚ましに、よく僕のところに遊びに来ていた。

美紀さんは僕を見慣れているせいか、あまりかまってくれなかった。


会場の様子を僕はずっと見ていた。

いつもお掃除してくれる人が来る。
だから会場はピカピカ。
紙の博物館の人たちは、皆温かくて優しかった。
館長さんは僕たちのためによく走り回っていた。

お客さんはにこにこしている人が多い。
お菓子が好きな人が多いのかな。

展示を見ながら「帰りにケーキを買っていこうね。」と話している人もいた。
僕も時々食べたくなるから、その気持ちはよくわかる。

・・・中にはしんみり見ている人もいた。
涙ぐんでいる人もいたのを僕は知っている。
作品って不思議な力があるのかな・・・。

同じ人が、大切な人を連れてもう一度来てくれたりする。
子供がおばあちゃんを連れて。
お菓子好きのご主人が、翌日奥さんを連れて。
きれいなお姉さんが、その日の内にお母さんと一緒に。
そんな時、僕はとても嬉しい。

お客さんと話しながら、美紀さんも嬉しそうだった。
今回は美紀さんの夢が叶った展示だったので、僕にはいつもより幸せそうに見えた。

僕の夢は「絵本作家」。
まだまだ勉強中。
「あきらめずに続けていれば、夢は叶う」と、美紀さんはいつも言っている。
美紀さんは優しそうに見えて、意外と厳しい。

あぁ・・・今回の展示は楽しかったなぁ・・・。
だから帰る時はちょっと寂しかった。

でも11月には名古屋で個展があるので、作品の仲間が増えるから僕も楽しみ。
骨休み。。。高知県久礼 黒潮本陣にて  (9).jpg

そうそう、今回僕は会場で、今まで聞いたことがないくらい同じ言葉を何度も聞いた。
美紀さんも毎日言っていた。

その言葉は「しあわせ」だった。

栗太郎

| 2010.09.29 Wednesday

 名古屋でもようやく涼しい秋風を感じるようになりました。
秋の味覚「栗」も、これから旬の季節を迎えます。

和紙スイーツの中に、「栗太郎」という作品があります。

もともと半立体の額装作品が、和紙スイーツの主なスタイルなのですが、ここ数年「立体作品」にもチャレンジしています。

初めての洋菓子・立体作品は、モンブラン。
あくまでも和紙を用いて、ただのモンブランを作りました。

ある時、そのモンブランを旅のお供に、光の切り絵作家・酒井敦美さんが四国へ連れて行ってくれました。
酒井さんは、現在高知の「紙逢わせ展」でもご一緒している、素敵な作家さんです。
 酒井敦美さんHP

そして現地で撮られた写真がこちら。
酒井さんの素晴らしいカメラの腕前とも重なって、それはまるで生きているかのよう・・・。
立体モンブランは四国の旅で「栗太郎」という、愛らしい名前をつけてもらいました。

高知市日曜日の風景 (9).jpg道後温泉 (7).jpg


その後、和紙スイーツに「栗太郎作品」が生まれ、栗太郎が日々の中でお茶を飲んだり、恋をしたり・・・という、自分でも不思議な世界に広がりました。
時々自分と重ねながら、楽しんで作品にしています。


栗太郎「幼い頃」            栗太郎「ゆっクリ」

栗太郎は只今、高知の展示会場でたくさんの方と出逢いを重ねていることと思います。

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