美しい色のグラデーションを見ると心魅かれます。
紫陽花はまさに自然な色のグラデーション。
日々移り変わる様子を見るのが楽しみです。
和紙もまたグラデーションが美しく、微妙な色合いによく心奪われます。
中でも大好きな薄紫色のグラデーションを見つけると、つい当てもなく買ってしまい、
家に戻ると同じような色合いの和紙がすでにあり、笑ってしまうこともしばしば・・・。
薄紫色に所々青や水色が入っている和紙は、紫陽花色のように感じます。
少しずつ切って重ねながら小さなパーツを作っていくと、一つ一つが違う色合いに。
薄い紫に濃い紫、青みの紫、青、水色・・・。
次はどんな色が現れるんだろう・・・。
1枚の和紙を順に使っているだけなのに、何だか不思議で面白い。
おかげで同じ作業も、楽しみな時間に変わります。
出来上がったパーツでふんわり覆い、紫陽花の和菓子を作りました。
1枚の和紙から、たくさんの色が生まれてくる様子は
まるで和紙と色遊びをしているような楽しさです・・・。
紫陽花色の和紙
出逢いの和紙
愛知県の小原和紙工芸作家、加納恒・登茂美ご夫妻が漉かれた和紙です。
現在展示中のギャラリーで求めました。
幅20cm、長さ95cmの「長和紙」は、本来文字を書くために漉かれた美しい和紙です。
私はその模様や色合いをとても素敵に感じて、個展で立体作品を飾る際に使っています。
今回は、スイーツのような甘くキュートなイメージを感じて選びました。
和紙には、糸が軽やかに踊り・・・
甘いキャンディーのような色がふんわり浮かんで・・・
口紅で模様を付けられたものもあり・・・
見ているだけでワクワクしてきます。
その和紙に「和紙スイーツ」を置いてみました。
ワイン色のシルク糸入り和紙には、「葡萄のパイ」を。
愛らしいピンクの木綿糸とビーズ入り和紙には、
「ラズベリームース」を。
口紅で付けられた模様の和紙には、「おめかしホワイトチョコムース」を・・・。
素晴らしい和紙と向き合っていると、自分の中で新しい何かが生まれてくるようです。
これからどんなスイーツの物語をのせていこうかな・・・。
和紙と出逢い、そこから感じたイメージを一つずつ形にしていくのが楽しみです。
~5/28(土)まで
「和紙の力」加納恒・登茂美ご夫妻
ステージ・あうんにて
想いのままの紙
私が作品に使用している和紙「典具帖紙」(てんぐじょうし)は、透けるほどに薄く、
水彩絵の具を重ねるように、いろいろな色が作れます。
「好きな色を重ねて、美味しそうなお菓子の焼き色を作って下さい。」
最近の和紙スイーツ講座では、皆さんに色作りも楽しんで頂いています。
材料の和紙を配っていたら、お一人の方がパッチワークのように一枚ずつ和紙を
並べて色の変化を楽しんでみえました。
重ねると色が濃くなり、また新たな色が生まれる。
2枚、3枚、4枚・・・と重ねる度に生まれる色・・・。
本当にそれだけで楽しい。
ニコニコしながら、楽しそうに並べ替えているご様子は、紙を楽しむ原点のようにも
感じました。
クッキーの色はいろいろ。
優しい焼き色、こんがりキツネ色。
チョコレートクッキーにマーブルクッキー。
そして出来上がったクッキーに飾り付け。
1枚の紙が、ひもにもなるし丸にもなる。
その薄さとしなやかさで、どんな形も自由自在。
「想いのままになってくれる紙なんです。」
講座中、ついそう言ってしまいます。
今日は久しぶりに自分でクッキーの作品作り。
楽しんで作っていたら、ピーカンナッツの新しい作り方を発見!
こういう形になって欲しい!・・・と作ったら、ちゃんとそうなってくれました。
この和紙のおかげとまた感動・・・。
本当に想いのままになってくれる、素敵な紙です。