「成人式のお祝いは、雛人形にしたから。」
「嬉しいでしょう!」
母から満面の笑みでそう言われた、二十歳の春
きっと、きょとん・・・としていたのだと思う。
「お嫁に行くとき、持って行きなさいね。」
そうも言われた・・・

母が大満足で購入した雛人形。
お内裏様とお雛様
華やかな色が、冬の空気を彩る。
朱色、黄色、桃色、萌木色・・・
小さいけれど、その空間が春のよう。
なかなか良いお祝いだったのだな・・・と、
今になってそう思う。
その後も母からは、毎年のように小さな雛人形をもらう。
折り紙、布、陶器、ガラスなどなど
飾ると、家中小さなおひな様に囲まれているようでもあり・・・

先月頂いたロウバイの花が、ポトポトと花を落としていた。
近くに飾っていた小さな雛人形とよく似合う。
雛人形をながめつつ、
春を想い
春を待つ
紙が好き、お菓子が好き
そこにある色が大好き
~お菓子で季節を飾る~ をテーマに始まった定期教室
色もまた、季節をあらわす大切なもの
春のお菓子は、春の色
はるいろ・・・やわらかなその響き
久しぶりに開いた色名の本
菜の花色、萌黄色、桜色・・・
名前の奥には、物語が広がって・・・
それぞれの色
和紙と合わせながら選んでいく

菜の花色で作る、和菓子の菜の花
小さな姿に一面の菜の花を咲かせて
春は黄色から始まるー
そんな言葉も思い出す。
冷たい空気の中、暖かな光のような黄色
一足早い春を運んでくれるかな。

和紙スイーツ教室3月「春の和菓子」
「ハレの日、ケの日」
ふと目にした一文
「ケの日」ってなんだろう・・・?
調べてみたら、「晴れの日」に対して「普段の日」という意味だった。
最近、普段の日々に、目に映る小さなできごとに、心みちる。
その背景に物語を浮かべながら・・・

先日、雪の中に鮮やかに咲くロウバイを見た。
白一色の世界に、黄色い宝石がちりばめられたよう。
はっとするほど美しかった。
数日後、感激をその家の方にお伝えした。
すると惜しげもなく、枝を切って下さった。
嬉しさで心みちる・・・
毎日くりかえす日々に、毎日新しいことがあるようで。
小さいけれど、心いっぱいのできごと。

早春の香りが家の中に漂う。
明るい黄色が、冬の冷たい空気をゆるめるよう。
ハレの日、ケの日
ケの日の中に、心ハレの日