雪割草

| 2011.12.18 Sunday

季節を映した愛らしい和菓子。
花や景色、物語までもをその小さな姿で魅せてくれます。

初めての和菓子作品は、夏の和菓子。
その一つに「蛍」という名前の和菓子がありました。
頂いてみようと切ってみると、小豆餡の中に、きな粉を使った薄黄色の餡が。
「ああ・・・蛍の光を表現しているんだ・・・。」
小さな姿の中に、その風景が広がるようでした・・・。
感激と共に、和菓子はひとつの宇宙のようだと思いました。

只今、来年の展示会に合わせて早春の和菓子を制作中。
今は実物がないため、写真などを参考にしての制作となりました。

選んだ和菓子は、「雪割草」
実物がないためか、いつになく作る前にいろいろ興味が湧いてきます。
「雪割草」は、どんな花?
由来は何?
花の形は?色は?
いろいろ調べていくと、次から次へと興味が湧いて、なかなか作業が
進みません(笑)

同じ雪割草でも和菓子のデザインは様々。
それぞれの職人さんの美しい作品を見て、またうっとり。
よく見ると、上にキラキラした白いものが・・・。
雪を割るようにして咲き出す、雪割草。
ああ・・・これは雪の表現なんだ。

この雪の表現は、和紙だと何を使ったらいいのかな。


DSC_5402.jpg


光沢のある麻素材かな。
穴のあいた落水紙(らくすいし)も雪のよう。
ごく薄い典具帖紙(てんぐじょうし)も重ねてみようかな・・・。





雪の中に咲く花は、かわいいピンクにしてみよう。
緑色は、柔らかな春の緑をふんわりと巻いて・・・。

作品を作りながら、和菓子の背景を紐解くような想いがします。





早春の和菓子「雪割草」

その時季が、今から楽しみです。

天使の羽

| 2011.12.07 Wednesday

お菓子をテーブルに置くと、急に空気が華やぐようです。

お菓子が愛らしいからかな。
みんながニコニコするからかな。

お菓子の背景に広がる、目に見えない華やかなもの。
見つめた時の楽しい気持ち。
それを包む温かな笑顔・・・。

美味しそうなモンブランを見ながら、スケッチしていた時、
「何かに似ている・・・、何かが足りない・・・。」
ぼんやりと見つめた後、ふと描き加えた天使の羽。

それ以来、目に見えないものを形にする楽しさを感じるようになりました。





華やいだ雰囲気は、どんな形だろう。

甘いお菓子の香りはどんな色かな・・・。

和紙のようにふんわり、ふわふわするのかな。





・・・心に甘く届くといいな。

色と形と紙と

| 2011.11.01 Tuesday

「なんてきれいな紙なんだろう・・・。」





何度出逢っても、そう感じる美しい紙。
透けるほどに薄い和紙「典具帖紙」(てんぐじょうし)。

白、黄色、オレンジ、赤・・・。
薄い和紙が重なり、柔らかに溶け合う色。


DSC_4622.jpg


和紙を1枚に広げて、手でそっと握ると全く別の表情に・・・。
保たれる形。
そこに現れる色。


和紙を切り取り、重ねながらパーツ作り。
一つづつ異なる色。
色の楽しみ。


DSC_3630rogo.jpg


くり抜いたり、紐状にして飾ったり、紙を曲げたり・・・。
いろいろな形。
形の楽しみ。


DSC_4368KNM7rogo.jpg


色と形と紙と。

創作の楽しみ・・・。

<< 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 >> 69ページ中66ページ目