出逢いの和紙

| 2011.05.22 Sunday

愛知県の小原和紙工芸作家、加納恒・登茂美ご夫妻が漉かれた和紙です。
現在展示中のギャラリーで求めました。

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幅20cm、長さ95cmの「長和紙」は、本来文字を書くために漉かれた美しい和紙です。
私はその模様や色合いをとても素敵に感じて、個展で立体作品を飾る際に使っています。

今回は、スイーツのような甘くキュートなイメージを感じて選びました。

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和紙には、糸が軽やかに踊り・・・
甘いキャンディーのような色がふんわり浮かんで・・・
口紅で模様を付けられたものもあり・・・
見ているだけでワクワクしてきます。


その和紙に「和紙スイーツ」を置いてみました。

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ワイン色のシルク糸入り和紙には、「葡萄のパイ」を。



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愛らしいピンクの木綿糸とビーズ入り和紙には、
「ラズベリームース」を。



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口紅で付けられた模様の和紙には、「おめかしホワイトチョコムース」を・・・。



素晴らしい和紙と向き合っていると、自分の中で新しい何かが生まれてくるようです。
これからどんなスイーツの物語をのせていこうかな・・・。

和紙と出逢い、そこから感じたイメージを一つずつ形にしていくのが楽しみです。



~5/28(土)まで
「和紙の力」加納恒・登茂美ご夫妻
ステージ・あうんにて

想いのままの紙

| 2011.05.21 Saturday

私が作品に使用している和紙「典具帖紙」(てんぐじょうし)は、透けるほどに薄く、
水彩絵の具を重ねるように、いろいろな色が作れます。

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「好きな色を重ねて、美味しそうなお菓子の焼き色を作って下さい。」
最近の和紙スイーツ講座では、皆さんに色作りも楽しんで頂いています。

材料の和紙を配っていたら、お一人の方がパッチワークのように一枚ずつ和紙を
並べて色の変化を楽しんでみえました。

重ねると色が濃くなり、また新たな色が生まれる。
2枚、3枚、4枚・・・と重ねる度に生まれる色・・・。
本当にそれだけで楽しい。
ニコニコしながら、楽しそうに並べ替えているご様子は、紙を楽しむ原点のようにも
感じました。

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クッキーの色はいろいろ。

優しい焼き色、こんがりキツネ色。
チョコレートクッキーにマーブルクッキー。

そして出来上がったクッキーに飾り付け。

1枚の紙が、ひもにもなるし丸にもなる。
その薄さとしなやかさで、どんな形も自由自在。

「想いのままになってくれる紙なんです。」
講座中、ついそう言ってしまいます。

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今日は久しぶりに自分でクッキーの作品作り。
楽しんで作っていたら、ピーカンナッツの新しい作り方を発見!
こういう形になって欲しい!・・・と作ったら、ちゃんとそうなってくれました。
この和紙のおかげとまた感動・・・。

本当に想いのままになってくれる、素敵な紙です。

和菓子のはじまりは「落水紙」から

| 2011.02.19 Saturday

「落水紙(らくすいし)」という穴のあいた和紙があります。

その模様は水滴状のものからレース模様まで様々。
他の紙と重ねると、楽しい表情を見せてくれます。
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和紙スイーツのベースは洋菓子ですが、
和菓子作品を作るきっかけとなったのは、この落水紙からでした。

数年前の春、和紙店でいつものように和紙を選んでいました。
ふと目にした、細かな穴のあいた落水紙。
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「桜餅みたい!」
小さな穴が、桜餅の道明寺のように見えました。
「この和紙で桜餅を作ってみたい・・・。」

それが和菓子作品への始まりとなりました。

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小さな姿に、季節を閉じ込めた愛らしい和菓子。
作品を作る度に、豊かな世界を感じています。

春はもうすぐそこまで・・・。

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