どちらも楽しみ

| 2012.02.08 Wednesday

「倉さん、チーズ・・・作れますか?」

「チーズ???」

只今開催中の3人展の打ち合わせでの事。
ご一緒する、陶芸家の藤平さんからのリクエスト。
チーズを盛るために作られた、大好きな器がおありとのことでした。
・・・作家さんがイメージするものを形にできるって楽しいな。
そんな思いでチャレンジしました。


白カビチーズの表面は、ちょっと硬くて揉み和紙の表情が近いかな。
網目の跡はどうやって残そうか・・・。
初めての作業は試行錯誤と発見の連続。
でもその時間こそが、楽しいのかも。





何となく形になってきたところで、調子に乗って青カビにもチャレンジ。
チーズショップに勤める知人に、おすすめのチーズを尋ねて購入。
「このチーズは、青カビの入り方が美しいですよ」と選んでくれました。
・・・カビが美しい?
その表現に思わず感動。

ところで青カビって何色?
青?
緑?
カビはどんな形?

最初は実物から目を離さずに制作。
・・・が気づくと和紙の繊維が流れる美しさに夢中になっていました。
確かに自然の姿は美しい・・・。





たくさんの発見を重ねて生まれた二つのチーズ。
器と合わせて、完成。
イメージが目に見えるものになった楽しさ。





そしてもうひとつの楽しさ。
目に見えないものを想像する楽しさ。

一緒のテーブルに置かれた、かわいいガラスの器はガラス作家・丁子さんの作品。
その名も「まどろみの器」
ワインのお共にオリーブなどを入れたら、きっとぴったり!
何となく器がまどろむような形で、見ているだけで微笑ましい。


イメージを目に見える形にする楽しさ。

イメージをあれこれ想像する楽しさ。

どちらも創作の楽しみ。