はじめまして。
栗太郎です。
先日、高知の展示会場から戻ってきました。
作者の美紀さんは少々お疲れのようだったので、代わりに僕がブログを書くことにしました。
僕については、前回のブログで美紀さんが綴っています。
ブログ「栗太郎」
高知での「紙逢わせ(しあわせ)展」は3週間だった。
僕は会場でたくさんの人と出逢いました。
子供たち、カップル、親子、ご夫婦・・・。
幼稚園のこども達が60人も来た時には、僕もさすがに緊張した。
皆、僕を見て笑っている。
中には大笑いしている人もいた。
どうやら僕は面白いようだ。
だから僕の周りはいつも賑やかだった。
僕はずっと箱の中に入っていた。
「神棚みたい」・・・と、つぶやく人もいた。
ちょっと窮屈だったが、居心地は良かった。
今回の展示は僕の部屋だけじゃない。
書家の可葉さんと、光の切り絵作家の敦美さんとの3人展。
2人とも僕とはお友達。
可葉さんは、どうやら僕のことが好きらしい。
いつも迫力ある表情の可葉さんだけど、僕に話かける時には「くりたろう~」と目じりを下げている。
敦美ちゃんは、すぐ隣の部屋で展示をしていた。
敦美ちゃんの会場は暗くなっているので、座っていると時々眠くなるらしい。
だから目を覚ましに、よく僕のところに遊びに来ていた。
美紀さんは僕を見慣れているせいか、あまりかまってくれなかった。
会場の様子を僕はずっと見ていた。
いつもお掃除してくれる人が来る。
だから会場はピカピカ。
紙の博物館の人たちは、皆温かくて優しかった。
館長さんは僕たちのためによく走り回っていた。
お客さんはにこにこしている人が多い。
お菓子が好きな人が多いのかな。
展示を見ながら「帰りにケーキを買っていこうね。」と話している人もいた。
僕も時々食べたくなるから、その気持ちはよくわかる。
・・・中にはしんみり見ている人もいた。
涙ぐんでいる人もいたのを僕は知っている。
作品って不思議な力があるのかな・・・。
同じ人が、大切な人を連れてもう一度来てくれたりする。
子供がおばあちゃんを連れて。
お菓子好きのご主人が、翌日奥さんを連れて。
きれいなお姉さんが、その日の内にお母さんと一緒に。
そんな時、僕はとても嬉しい。
お客さんと話しながら、美紀さんも嬉しそうだった。
今回は美紀さんの夢が叶った展示だったので、僕にはいつもより幸せそうに見えた。
僕の夢は「絵本作家」。
まだまだ勉強中。
「あきらめずに続けていれば、夢は叶う」と、美紀さんはいつも言っている。
美紀さんは優しそうに見えて、意外と厳しい。
あぁ・・・今回の展示は楽しかったなぁ・・・。
だから帰る時はちょっと寂しかった。
でも11月には名古屋で個展があるので、作品の仲間が増えるから僕も楽しみ。
そうそう、今回僕は会場で、今まで聞いたことがないくらい同じ言葉を何度も聞いた。
美紀さんも毎日言っていた。
その言葉は「しあわせ」だった。
「しあわせ」 記:栗太郎
| 2010.09.29 Wednesday
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