透けるほどに薄い和紙、「典具帖紙」(てんぐじょうし)。
見ているだけで涼やかな風のようです。
夏の和菓子もまた透明感のある寒天や葛が、水辺のような涼しさを運びます。
その姿を典具帖紙で表現してみたいと、ずっと思っていました。
実際の和菓子を前に、透明感を見つめます。
見つめるほどに、小さな世界から涼やかな風景が広がるよう・・・。
作り手の繊細な感性に触れるようです。
ごくごく薄い典具帖紙を、折ったり、絞ったり、また広げたり・・・。
こんなに薄くて柔らかい和紙なのに、強くて破れない。
形もちゃんと保っていてくれる。
何日も同じ和紙に触れているうちに、手が何かを覚えてゆくよう・・・。
ここでもまた和紙を作る方の温かな想いに触れるようです。
この透明感は、本当に典具帖紙ならでは。
またまた魅了されてゆく、和紙の世界・・・。
夏の和菓子は典具帖紙
ベリーの頃
毎年実をつけてくれるようになった我が家のブラックベリー。
赤から黒へと色が移り変わる様子が美しく、最初は観賞用に求めました。
今では収穫できるほどに成長し、この時期の楽しみです。
よく熟して黒くなった実をシロップ煮にすると、一瞬で美しい赤色が出現します。
最初は魔法のようで、本当に驚きました。
その驚きは今では喜びに変わり、毎回おとずれるその瞬間に思わず笑みがこぼれます。
あの真っ黒な外見からは想像できない鮮やかな朱色。
内に秘めた色。
自然の恵の色。
はっとする輝きの色。
ゼリーやジャムにして頂いていますが、この想いの色を永遠に何かに留めたいとふと思います。
染めることへの楽しみは、こんなふうに始まるのでしょうか・・・。
毎年実るベリーに触れながら、毎年小さな喜びを重ねています。
それぞれのアイス
蒸し暑い日が続き、アイスクリームが似合う季節です。
アイスクリームは色も味もいろいろ。
見ているだけで楽しくなります。
只今、アイスクリーム作品をいろいろ制作中。
身近な方に「お好きなアイスは?」とお尋ねしては、それを一つづつ作っています。
お好みは本当に人それぞれ・・・。
一番お好きなアイスを皆さん笑顔で即答されます。
「ストロベリーアイス」、
「チョコミント」、
「オレンジシャーベット」・・・などなど。
時々同じアイスが重なると、2番目もまた即答!
中には「モナカアイス」と答える方もみえ、そこから懐かしのアイスの話に花が咲い
たりして・・・。
作品の向こうに人が見えると、作る楽しさが何倍にも広がるようです。
実際のアイス以外にも、大切な人を浮かべて作ります。
モンブランが好きなあの人に・・・。
素敵な和紙工芸作家さんが漉かれた、とてもチャーミングな模様の和紙。
ストロベリーアイスのように見えて、色を合わせて作りました。
アートをご縁に出逢った方と再会し、何とも愛らしい「まゆ最中」をお土産に頂きました。
上品な薄紫色に、繊細な凹凸模様・・・。
そこからイメージしたアイス。
人と重ねながら、一つづつ増えていくアイスクリーム・・・。
たくさんそろったら、そこからまた会話が生まれるのかな。
見るのも、食べるのも、作るのも楽しいアイスクリームです。
今年の夏の和紙スイーツ教室は、アイスクリーム。
機会がありましたら、目に涼しい和紙スイーツアイスをお楽しみ下さいませ。
夏の和紙スイーツ教室ご案内