創造はモノクロの世界から

| 2011.10.24 Monday

数年前、新聞の取材を受けた時のことです。

掲載用の作品写真にと、カラフルなクッキーがたくさん並んだ作品を撮影して頂きました。
作品について尋ねられ、和紙での色表現の楽しさや、微妙な色合いが生れる面白さを夢中
で話しました。
すると記者の方が申し訳なさそうに、「今回の掲載写真は白黒なんです・・・。」と。
・・・思わず笑ってしまいました。

数日後、掲載して頂いた白黒写真を見て、ハッとしました。
私の創作の楽しさは、「形から始まるんだ・・・」と。
「この形は和紙で表現すると、どうなるのだろう・・・。」
お菓子を見つめながら、それを考えるところが創作の楽しさなのだと。


只今、ドーナツをいろいろ制作中。
もちろん美味しそうな焼き色、カラフルな色もまた大きな魅力です。
が、今回は形を表現したくて、実際のドーナツをよくよく観察。


DSC_3871モノクロ新聞.jpg


ねじりのドーナツ。
角がしっかりして、中央に割れ目のある平らなドーナツ。
小さな丸がつながったドーナツ。

それぞれの形。
それぞれの特徴。

ねじりながら、しなやかに丸くするにはどうしたらいいのかな・・・。
中央のくぼみ、平らな形はどんな表現だろう。
小さな丸のつなぎ目は、少しくっついて雪ダルマみたい・・・。


DSC_3912モノクロ新聞M7rogo.jpg


「こうすると、この表現ができる。」という、発見の楽しさ。
和紙のしなやかさを楽しみながら、一つづつ形にしています。
ちょっとした加減で、同じ形も作る度に違う表情に。
それもまた手作りの良さかな・・・。


くるりと丸いドーナツ。
ねじりのドーナツ。
クリームをのぞかせたドーナツ・・・などなど。

今度の教室でも、いろいろな形をお楽しみ頂く予定です。


和紙スイーツ1日教室「ミニドーナツ」

ファイバークラフト

| 2011.10.12 Wednesday





このお花、紙で出来ています。

「ファイバークラフト紙」
水で濡らすと柔らかくなり、乾くと硬くなる不思議な紙です。
最近、講座を受けてその面白さに感激しました。


お花の形にファイバークラフト紙を切り、好みの色に染めて、直接手で形作っていきます。
染めている様子は、透明な液に花が浮かんでゼリーのよう・・・。


DSCN1256KN.jpg


それぞれの色に染まり、それぞれの花になってゆく。
一緒に受講している方と、お互いの染具合や形で触れ合えるのがまた楽しい。
1枚の平面の紙が、だんだん花の形になってゆく・・・。
作りながら、感激と楽しさが溢れます。


教えて下さる先生のお人柄もまた優しいお花のよう・・・。
本当にこのアートを愛しく大切になさっているのだな・・・。
その空気が柔らかに伝わり、講座がより楽しく温かく感じられます。


出来上がった作品はブローチになり、身に着けられるのがまた楽しい。
皆さんその場で服に着けたり、バックに着けたり・・・。
それぞれが自分色に染めた作品は、個々の雰囲気にぴったり。
華やかな作品を囲み、また華やかな笑顔に包まれます・・・。


DSC_0050.jpg


自分の作った作品を身に着けられる喜び・・・。
これからの季節、温かなバックにつけてみようかな・・・。


ファイバークラフト教室

甘い薫り

| 2011.10.06 Thursday

窓を開けると、甘い香り・・・。
小さな小さな花があつまる金木犀。
ふんわり漂う秋の香りに、甘い記憶も柔らかに浮かんでくるようです・・・。


DSC_3617.jpg


以前、和紙スイーツの展示会場で、
お客様から「作品に甘い香りがつけてあるのですね。」
と言われたことがあります。

作品に香りはつけていないことをお伝えすると、
「確かに作品から甘い香りがしたのですが・・・」
と不思議そうにされていました。

イメージの薫り・・・?
私もまた不思議に思いながらも、とても嬉しく感じました。


・・・甘いイメージの色は、優しいピンクやオレンジや黄色でしょうか。
最近、そんな甘い色合いの和紙を購入。

その和紙を背景に、これから額装作品を制作予定。
スイーツから広がるイメージの世界・・・。
そこには目に見えないものを形にする楽しさが溢れるようです。


DSC_3592.jpg


甘色の和紙に、透けるほどに薄い典具帖紙(てんぐじょうし)を重ねて、
甘く温かな作品を作りたい・・・。
どんなデザインを重ねていこうかな・・・。
しばらくは、和紙と向き合いながらのイメージ作り。

作品から甘い薫りが届けられたら嬉しいな。

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