甘く幸せな空気に包まれたウェディングは、どこかスイーツと重なります。
今回の個展で、長い和紙をウェディングロードに見立て、ベリーのケーキたちを飾りました。
写真を撮ろうと覗き込んだら、そこに「スイーツの世界」が現れてハッとしました。
私が和紙と出逢ったのは、OL時代に機会を頂いたウィンドーディスプレイ。
期間限定で、たたみ一畳分ほどの空間に、季節の風景と創作紙人形を飾っていました。
春は桜の花と新入生。夏は海辺の人魚姫。
秋は萩の花とかぐや姫。冬はガラスの靴とシンデレラなど・・・。
その材料に自然と和紙を選び、またイメージ表現の楽しさに触れた機会でもありました。
当時、表現する楽しさを強く感じながらも、その道を踏み出すことはありませんでした。
その後長い時間が流れる中、その時触れた表現の楽しさがずっと心に灯っていたように思います。
今回このスイーツ・ウェディングを制作し、
いろいろな道を辿りながらもまた同じ場所に戻ってきたように感じました。
新郎新婦から始まり、ベリーケーキの参列者には、両親・友人・カメラマンなど様々な物語をのせています。
長い和紙にはところどころピンクの模様があり、幸せ色の人影のようです。
たくさんの方々に幸せな空気が届きますように。
「スイーツ・ウェディング」 2010個展会場から
和紙Sweets展が始まりました。
クリスマスの空気が漂う中、スイーツも華やぐ季節となりました。
11/16(火)より、和紙Sweets展が始まりました。
会場の紙の温度さんは、ちょうど3年前に初個展をした思い出の場所です。
新たなスタートの想いで展示をしました。
ギャラリーは壁も台も全て和紙が貼ってあり、作品たちも心地良さそうです。
メインの「額装作品」では、和紙から感じたデザインや自分の大切な想いを表現しています。
「立体作品」は、地元愛知県の小原和紙作家さんの和紙と共に飾りました。
「栗太郎」は、たくさんの仲間に囲まれて嬉しそうです。
また会場の紙の温度さんは、世界中の紙でいっぱい。
お店の中はとても楽しく、私はいつも宝探しの気分になります。
展示は12/4(土)まで、約3週間開催しています。
機会がありましたら、ぜひ会場で甘い空気を感じてみて下さい。
和紙Sweets展ご案内
「僕の材料を買いに」 記:栗太郎
こんちには。
栗太郎です。
もうすぐ僕は作品展へ出るんだ。
だからそろそろ身だしなみを整えておこうと思った。
こう見えても僕は意外とおしゃれなんだよ。
鏡を見て・・・驚いた!
自慢の栗色の肌が薄くなっている・・・!!
僕は「典具帖紙(てんぐじょうし)」という和紙でできている。
典具帖紙はとても薄い和紙なんだ。
僕は時々、美紀さんのお友達と会って挨拶をする。
その時、皆決まって僕をなでてくれる。
・・・どうやら僕はなでられ過ぎたようだ・・・。
でも僕はあわてない。
だって典具帖紙は、補修ができる優秀な和紙なんだよ。
ねえ、美紀さん。
「えっ!?」
「行く行く!!僕ずっと行ってみたかったんだ!」
僕は美紀さんと、僕の材料を買いに行くことになった。
ここはいつも美紀さんが和紙を買っているお店。
「紙の温度」っていうんだ。
今度の作品展の会場はここなんだね。
うわぁ・・・広いなぁ!!
たくさんの和紙が、色の渦みたいだ。
すごい!すごい!どこから見ようかなぁ。
美紀さん、僕の和紙選んでね。
「えっ!?」
「僕が自分で選ぶの!?」
「そんなの無理だよ!!]
「僕は今日ここに初めて来たんだよぉ!」
「ねえ、美紀さん!」
「美紀さんってばぁ!!!」
「・・・・・。」
・・・行っちゃった・・・。
・・・美紀さんは優しそうに見えて、実は厳しい・・・。
僕、ちゃんと見つけられるかなぁ・・・。
和紙ってたくさん種類があるんだな。
見た感じも、触った感じも、色も厚さもいろいろなんだ。
でもみんな僕の仲間だね。
どの和紙なのかなぁ・・・。
これは似た色だけどちょっと違う・・・。
これも違うなぁ・・・。
どれなのかなぁ。
僕の和紙、どれなんだろう。
そうだ!高いところから見てみよう。
あれ?
あそこの棚、いつも僕が見ている和紙に似ているよ。
あったぁ!!
これこれ!
僕の和紙、典具帖紙だよ!!
これでもう安心。
・・・でもなかった・・・。
茶色だけでこんなにあるんだぁぁぁ・・・。
そういえば、美紀さんがいつも言ってたな・・・。
その時々で、できる色が違うって。
和紙との出会いも一期一会なんだって。
1枚選ぶだけで大変なんだなぁ・・・。
でも僕は自分で選ぶんだ。
これかな・・・。
これでいいのかな・・・。
よし、これに決めよう!!
「美紀さ~ん、決まったよぉ。」
「僕、自分で選んだんだ。
大変だったけど、自分でやるって楽しいね。
それからね、僕は今日たくさんの和紙の仲間と話したよ。
僕も同じ和紙で出来ているんだって言ったら、みんな驚いてた。
でもみんな優しくて温かかったよ。」
僕はますます僕の材料を好きになった。
今日は嬉しかったな。
僕の材料の和紙、とっても素敵な紙なんだね。
紙の温度HP
和紙Sweets展ご案内
紙の温度さんに許可を頂き、撮影しております。