20年くらい前、よく図書館に通っていた時期があった。
近くに小さな商店があり、いつも手作りのサンドイッチが並んでいた。
数回買ったことがあり、ふんわり優しい味だった。
久しぶりの図書館
同じお店に、同じサンドイッチが並んでいた。
変わらぬその姿がなつかしい。
中に入り、サンドイッチを買った。
「これ下さい。」
「ありがとう。」
お店に座っていたのは、お洒落なおばあちゃんだった。
ふと懐かしいお菓子が目に入った。
なごやん
「これも下さい。おやつによく食べました。」と追加した。
おばあちゃんは笑顔で
「これは中がクロじゃなくて、シロだから優しい味だよね。」と。
「中がシロ?」
・・・そうそう、これは中が白餡ベースだった。
2人で「だから優しい甘さで美味しいですよね。」と会話した。
緑あふれる公園で、サンドイッチを食べた。
ラベルの製造者に、商店と同じ苗字の女性の名前が書いてあった。
あのおばあちゃんが、ずっと作っているのかな。
20年前は話しかけたことも、話しかけようと思ったこともない。
今は何気ない会話がとても嬉しい。
幸せな気持ちでいっぱいになる。
中はシロ
なごやんも、変わらぬ優しい甘さだった。