初めて作った立体作品は、「夏の和菓子」
9年前、ご縁のある和菓子屋さんのものだった。
本物の和菓子を前に、何日も何日も試行錯誤して。
「うちの和菓子を作って下さい。」
ご主人にそう言われて預かった和菓子
「うちの和菓子」・・・
よく見ると、透明なしずくがついていた。
朝顔のしずくは、朝露を表現しているんだ。
小さなひとつひとつの形が、そのお店の和菓子なんだと実感した。
透明なものをどうやって作ろう・・・
ボンドを固めてみたり、和紙を丸めてみたり。
何度も繰り返して、透ける典具帖紙1枚にたどりつく。
四角く折ると、寒天のよう。
透明なしずくは、何度も作りながら少しづつ形を変えていった。
展示をご縁に出会った、ガラス作家の丁子恵美さん。
オリジナルの形が楽しく美しい。
只今、展示中のギャラリーで、和紙スイーツを飾って頂いている。
金魚の和菓子が、お皿に浮かぶ。
四角い模様が楽しいな。
埋め込まれたキャンディーのようにも感じて。
「この中に、倉さんの朝顔が入っているんだよ。」
ぼんやり映る朝顔の形
白の向こうのピンク色
ふわりと透けた感じが、きれいだな。
ガラスとはまた違う、和紙のような透け具合
透き通る・・・・・・
何かに包まれながら、見えている。
その感じが、なんとも好きなんだよなぁ・・・と思う。